こんにちは!
三共コスモスの南出です。
不動産仲介業を行っていると稀に再建築が出来ない物件とご縁があります。
八潮市内であれば、一部の市街化調整区域や道路への接道条件を満たしていないものを、
いわゆる再建築不可物件といいます。
今回は、接道要件を満たしていない再建築不可物件について、
売却できるという事とその理由や方法について解説していきます。
下記の構成で書いています。
『接道要件について』
『実際に経験したケース①』
『ケース①の解決方法』
『ケース①の解決方法 プランB』
『囲繞地をの一部を譲ってもらえない場合』
『実際に経験したケース②』
『未接道になる理由』
『最後に』
お読み頂ければ、再建築不可の不動産を相続などで取得する方にとって、何かのヒントになるかもしれません。
また、そのような不動産をご所有している方でご売却をお考えの場合、参考にして頂けると嬉しいです。
接道要件について
建物を建築する際には原則、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないというルールがあります。
道路の幅員が4メートル未満の場合、再建築時に幅員4メートル(通常は道路の中心点から2メートル)確保するように敷地を後退して建築します。
今回の記事では、上記の道路幅員ではなく、そもそも道路に接していない『袋地』について解説していきます。
事例①では未接道の問題を解決してから売却したものを、
事例②は未接道問題を解決せずに売却したものをご紹介しています。
実際に経験したケース①
画像で見てお伝えした方が分かりやすいので、下記画像をご覧ください。
隣家Aさんの土地が道路を塞いでいる状態です。
実際には、点線部分で分筆されていて、点線上部の土地の見た目は道路です。
ただ、2筆ともに隣家Aさん所有地のため、対象地は未接道になっています。
この隣家Aさんを囲繞地、対象地を袋地といいます。
詳しくお知りになりたい方は上記の単語で検索してみてください。
このケースでは、点線上部の土地を買い取って接道要件を満たす事で解決できます。
ケース①の解決方法
隣家Aさんの土地を譲ってもらえれば、上記画像の状態になりますね。
こうなれば再建築できますし、価値も上昇する事で安く売る必要もありません。
ただし、対象地の方と隣家Aさんの関係性によっては買取る事ができない可能性があります。
また、Aさんに足元を見られて高額での売買を要求される可能性もあります。
交渉は慎重に行ってくださいね。
ケース①の解決方法 プランB
私は上記の方法を取りましたが、もうひとつ考えられます。
水色の家の人も巻き込んで買取る方法です。
2メートル以上接していれば要件は満たされるので再建築可能です。
水色の家の人も間口が広がるメリットがありますし、対象地の方も土地を買取る費用を抑えられるため、双方にメリットがあるように思えます。
対象地を売却する事が前提であれば、先の方法が良いと個人的には思います。
どちらのパターンも土地を譲ってもらえることが前提の話です。
譲ってもらえない場合は、下記の方法が考えられます。
囲繞地の一部を譲ってもらえない場合
上記の点線上部の土地を譲ってもらえない場合は、『そのまま売る』か『リフォームして貸す』という方法があります。
あくまで再建築が出来ないだけであって、八潮市・草加市内でしたら通常通り売却できます。
ただし、価格は安いです。
手間と費用はかかりますが、リフォームして貸してから売却すれば売値が多少高くなる可能性はあります。
余談ですが、袋地の場合は一括査定の利用をあまりおすすめできません。
一括査定サイトの多くは、市街化調整区域や再建築不可物件を課金対象除外としているからです。
不動産会社からすると、親切な営業マンでない限り、課金対象除外の案件に注力する事は無いかと思います。
調査にも様々なコストがかかりますからね。
物件所在地の地元で地域密着型の会社に相談するのが良いと思います。
実際に経験したケース②
こちらの場合は、見た目からして接道していませんでした。
対象地と、隣家Bが未接道の状態です。
私が上記の相談を受けた時は、隣家Aさんに対象地を買ってもらいました。
もし隣家Aさんに断られたら、隣家C、Dさんにご相談する予定でした。
全て断られたら、専ら再建築不可物件を買取る会社に売却する事になっていたと思います。
未接道になる理由
そもそも何故未接道なんて事が起こるのかについてです。
昔は建築の申請は必要でも、完成後の検査は必須ではなかったようです。
なので、申請通りに建っていないという事があったようですね。
令和の現在では起こりえない事ですので、新築物件や築浅物件であれば安心して購入頂いて大丈夫です。
せっかくなので、上記ケース②の建築申請時の配置図をご紹介します。
私も当時の配置図を見せていただいたときは驚きました。顔が引きつっていたと思います。
私が真っ先に隣家Aさんに相談に行った理由でもあります。
隣家Aさんも対象地の方も、新築当時の名義人の方はお亡くなりになられ、相続人の方は当然把握しておりませんでした。
上記の事から、基本的には昭和築の建物で、かつ相続不動産でのご相談が多いです。
最後に
袋地の未接道物件の事例をご紹介させていただきました。
基本的にはまず隣地の方にご相談し、ダメだったら売りに出すという流れです。
隣地の方からすれば、少し安く購入でき、自分の土地も広がるのでメリットは大きいです。
再建築不可物件で空家になり、放置していればいずれ隣地の方へ迷惑が及ぶであろうお家を何軒か知っています。
悪循環に陥る前に、なんとかしたいですよね。
八潮市・草加市エリアであれば、倫理に反していない限り売却できます。
まずはお気軽にご相談ください!